関節リウマチ

関節リウマチとは

関節リウマチ(以下、リウマチ)は、関節の内面を覆っている滑膜という膜に炎症が起こり、進行すると軟骨・骨が壊れていく病気です。リウマチ治療は近年、衝撃的ともいえる変革・進歩がありました。これらの成果は、新薬開発とともに、診断基準の見直しや根本的な治療方針変更や治療基準の明確化によるものです。

 

予防と治療

  1. 治療薬の進歩:リウマチの発症・進行には、T細胞という免疫細胞や炎症性サイトカインという、タンパク質の異常が関わっていることが分かってきました。これらを制御する抗リウマチ薬やさらに強力な生物学的製剤が登場しました。
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  3. 早期治療の大切さ:1980年代以降に行われた多くの研究から、関節びらんの個数は、発症から最初の2年間に急激に増えることが分かってきました。初期に関節破壊の進むスピードはその後の約5倍であると考えられています。したがって、関節破壊の進行を抑えるには、発症からの約2年間が大切ということで、この時期を「治療効果の窓」とも呼ばれております。
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  5. 早期関節リウマチにも対応した診断基準の見直し:2010年リウマチの新診断基準が発表され、より早期から治療が可能となりました。
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  7. 明確な治療目標の設定:従来、漠然とした活動性の評価が行われてきましたが、最近ではDAS28という評価指数が使われるようになりました。DASとは病気活動指数のことで、28関節の圧痛と腫れを評価し、CRP・血沈などの炎症指数、全般的な病状の評価値から計算式を用いて病気の活動性を評価する方法です。この指標を用いて明確な治療目標の設定が可能となりました。そして、最低でもある程度、炎症がコントロールできる状態(低疾患活動性)を目標にして治療をします。このようなやり方は、「目標達成に向けた治療(treat-to-target治療)」とも呼ばれています。

 

当院の取り組み

当院では発症早期に受診される方が多く、デジタルレントゲンや超音波カラードップラー検査を用いて、関節炎症の把握に努めております。また、「目標達成に向けた治療(treat-to-target治療)」を実践するべく、毎診察でのDAS28評価と生物学的製剤も積極的に用いております。なお、強力な治療ほど、合併症の早期発見に留意する必要があり、近隣の基幹病院とも緊密に連携を取り合っております。

より詳細な説明は「リウマチ情報センター(関節リウマチとは)」「日本整形外科学会(関節リウマチ)」をご参照ください。